2022.03.15
Bossa Nova の Nova とはポルトガル語で「新しい」、Bossa とは「隆起、こぶ」を意味する。したがって Bossa Nova とは「新しい傾向」「新しい感覚」などという意味になる。なお Bossa という語は、すでに1930年代から1940年代に黒人サンビスタなどがサンバ音楽に関する俗語として、他とは違った独特な質感をもつ作品を作る人に対して彼のサンバにはボサがあるなどと使い、それらの楽曲を Samba de Bossa などと呼んでいた。
1950年代後半、リオデジャネイロのコパカバーナやイパネマといった海岸地区に住む白人中産階級の学生やミュージシャンたちによって生み出された。ブラジルでのヒットのきっかけは1958年にアントニオ・カルロス・ジョビン作曲、ヴィニシウス・ジ・モラエス作詞、ジョアン・ジルベルト歌・ギターによる“Chega de Saudade”(シェーガ・ジ・サウダージ、邦題:想いあふれて)のシングルによるものであり、ジョアン・ジルベルトはボサノヴァ・ギターのパイオニアだった。ただしこの時点ではボッサ・ノヴァという呼び名はまだ生まれていなかった。
サンバやショーロをはじめとするブラジルの伝統的な大衆音楽、特にサンバ・カンサゥン (Samba Canção) を基に、1950年代から1960年代に広まった。中産階級の若者たちの求めていた心地よく洗練されたサウンド、「新しい感覚」のサンバとして成立した。
ボサ・ノヴァをジャズの一種と見るなどさまざまな見方もあるが、少なくとも本来のボサ・ノヴァはサンバの一種であると定義される。ボサはブラジルに新しいポピュラー音楽ジャンルを生み、その後世界の音楽シーンに広がっていった。
なお一口にボサ・ノヴァといってもミュージシャンによってその作風は多様で、例えば公的には上記1958年の“Chega de Saudade”がボサ・ノヴァ第1号といわれるが、それより以前の1953年、ジョビン&ヴィニシウス作品でジョニー・アルフが歌った“Rapaz de Bem”(和題:心優しい青年)を真のボサ・ノヴァ第1号とする説もある。アルフの場合はジャズに影響された作風を持っているのが特徴で、ジョアン・ジルベルトなどとは明らかにスタイルが異なっていることが理解できる。
1964年にブラジルでは軍事クーデターが発生し、カステロ・ブランコによる軍事独裁政権が誕生すると、ジルベルト・ジルらのトロピカリア・ムーブメントは、愛や自然を歌うものから体制を批判するものに変化していった。軍事政権は1964年から1985年まで、長期間に渡ってブラジルを支配した。
出典『ウィキペディア(Wikipedia)』
いつもドイツ在住のNILOさんに応援頂いてます。
壁紙の品番より、その空間に流れる音楽や香りの方がとっても大切であって、自分自身で演奏するのが大切かなと。